6、午後1時過ぎ
 ケンコウ番組は、そろそろフィナーレにむかっている。少しづづ、音声がフェイドアウトされていく。
 番組を見終わったあと、いつも感じるように、きょうもわたしは、ちょっとした倦怠感を感じた。
 おばあちゃんも、あんなに元気でテレビを見ていたのに、明らかに衰弱してしまったようである。

 「おばあちゃん、少し横になったら?」
  
 「そうね、昼寝のじかんね。」

 わたしは、フェイドアウトしていくテレビの音声を、さらに、手元のリモコンでボリュームを少しづつ少しづつ下げ、ついには、リモコンのスイッチを一瞬にして切った。

 隣の家から話し声が聞こえる。

 娘だ。隣りの女の娘がきているのだ。

 わたしは、いつのまにか眠ってしまった。




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