20.午後11時15分
 トイレにいこう、と席を立ったわたしは、寝室からかすかな光が漏れているのに気が付いた。

 「おばあちゃん!」

 ついさっき、線香をあげたことをもう忘れていて、ロウソクに火を点け、仏壇の前で手をあわせているおばあちゃんが、そこにいた。



 わたしは、もう一度おばあちゃんを寝かしつけた。



つぎへ