21.オモヒデ
夏休み、小学2年生のわたしは、縁側に座ってスイカを食べていた。イトコの小学1年生になるノブ君(おばさんの息子)も、いっしょに並んでスイカを食べていた。
夢中になってスイカを食べていたノブ君は、右足を蜂に刺され、あまりの痛さに泣き出してしまった。慌てたおじいちゃんは、薬箱からキンカンを取り出し、真っ白な脱脂綿に、キンカンをうんと含ませ、そっとノブ君の右足にあてた。
「うわ〜 〜!」
生まれて初めての痛さに驚いて、ノブ君は、右足を抱え、左足で、六畳の寝室を全速力で駆け回ったのであった。
指折り数えたら、15周もしてた。
わたしは、それが可笑しくて可笑しくてしょうがなかった。