!プロローグ
 今、茶の間で、オフィスで、視聴率ナンバー1のお昼のテレビ番組「午後は思いっきりSF!」は、世界一の長寿国であるニホンジンが、もっともっと長生きできるよう、制作されたケンコウ番組だ。
 今から50年前、ビデオがなかったように、100年前、テレビが普及しなかったように、10年前ならこのような番組は存在し得なかったであろう。
 20世紀末から21世紀はじめごろまで全盛期だったケイタイデンワも、歯に悪影響をおよぼす、ということが科学的に解明され、21世紀は、ニホンジンにとって入れ歯の時代であった。
 同じように、約2世紀にわたって家庭に普及されたパーソナルコンピューターも、足の親指と人差し指の間から奇妙な芽が出てくる、という新種のアレルギーの流行がパソコンによるものだ、とウワサされ、世間をにぎわせた。
 
 まだまだ人類にとって科学の実験は続く。ニホンジンが先頃開発した、新電波によるこのお昼のSF番組は、確実に、見るものをケンコウにし、元気にするのだ。

長寿国連続第一位ニッポンの歴史は、まだまだ続きそうだ。




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